交通事故(3)-1-6 〜弁護士費用〜

0
    交通事故においては,加害者に対して損害賠償請求するにあたって
    弁護士に依頼した場合には, 
    その弁護士費用も交通事故の損害として認められます。


    もっとも,損害として認められるのは,
    実際に支出した弁護士費用ではなく,
    認容額の10%程度が事故と相当因果関係のある損害として認められます。

    例えば,治療費,休業損害,慰謝料等の合計が金500万円とした場合,
    弁護士費用として認められるのは,金50万円となります。

       金500万円 × 10% = 金50万円

    したがって,最終的には,
    これらの合計の金550万円が損害として認められることになります。

       金500万円 + 金50万円 = 金550万円


    もっとも,この弁護士費用については,
    裁判における判決となれば,上記のような基準が適用されますが,
    任意交渉の段階や,裁判手続においても調停や和解の場合には,
    損害から除外される場合が多くあります。

    交通事故(3)-1-5 〜その他の積極損害〜

    0
      (1) 装具・器具等購入費

      治療等のために葬具・器具等を購入した費用は,
      必要性が認められれば,損害として認められます。

      症状固定までに要したもののみならず,
      義歯,義眼,義手,義足等,相当期間で交換の必要があるものについては,
      将来の費用についても,損害として認められます。


      (2) 家屋・自動車等改造費,調度品購入費

      傷害を負ったために,
      家屋や自動車等を改造することになった費用や,
      調度品を購入した費用は,
      被害者の受傷の内容,後遺症の程度・内容を具体的に検討し,
      必要性が認められれば,相当額について損害として認められます。


      (3) 葬儀関係費

      葬儀費用については,原則として150万円の範囲内で損害として認められます。
      実際に支出した額が150万円を下回る場合には,
      実際に支出した額が損害として認められます。
       

      交通事故(3)-1-4 〜通院交通費・宿泊費等〜

      0
        通院交通費については,実費相当額が損害として認められます。


        電車やバス等の公共交通機関を使用した場合は,
        その料金が損害となります。

        自家用車を使用した場合は,
        通院する距離等を基準として,
        ガソリン代,高速代,駐車場代等が相当な範囲で損害と認められます。


        タクシー料金については,原則として認められませんが,
        事故当日であるとか,症状により相当と判断される場合には,
        損害として認められます。


        宿泊費についても,自宅と病院との距離等により,
        相当と判断されれば,損害として認められます。


        看護のための近親者の交通費についても,
        必要性,相当性が認められれば,
        被害者本人の損害として認められる場合があります。

        交通事故(3)-1-3 〜雑費〜

        0
          雑費については,
              (1) 入院雑費
              (2) 将来の雑費
          が損害賠償の対象となります。


          (1) 入院雑費

          入院したことにより必要となる日用雑貨の購入等について,
          原則として,入院1日あたり,1,500円が損害として認められます。

          貸しおむつ代など,個別の事情によっては,
          上記以外の雑費も損害として認められる場合もあります。




          (2) 将来の雑費

          将来の雑費は,原則として損害とは認められません。
          ただ,後遺障害が残り,
          必要かつ相当と認められる雑費については,
          損害として認められる場合もあります。 

          交通事故(3)-1-2 〜付添看護費〜

          0
            付添看護費については,
               (1) 付添費用
               (2) 将来介護費
            が損害賠償の対象となります。



            (1) 付添費用


            ア 入院付添費

            医師の指示があった場合,
            または,受傷の程度,被害者の年齢等により必要性が認められる場合には,
            損害として認められます。

            損害額としては,
            職業付添人の部分については,実費全額,
            近親者付添人の部分については,1日あたり6,500円程度が
            認められる傾向にあります。


            イ 通院付添費

            症状の程度または被害者が幼児であるなど,必要性が認められる場合には,
            損害として認められます。

            損害額としては,1日あたり3,300円程度が
            認められる傾向にあります。


            ウ 症状固定までの自宅付添費

            日常生活をするには付添介護が不可欠であるような場合には,
            損害として認められ得ます。



            (2) 将来介護費

            医師の指示がある場合,
            または,症状の程度により必要性が認められる場合には,
            損害として認められます。

            損害額としては,
            職業付添人の部分については,実費全額,
            近親者付添人の部分については,1日あたり8,000円程度が
            認められる傾向にあります。

            交通事故(3)-1-1 〜治療関係費〜

            0
              治療関係費については,交通事故により生じた傷害の治療として,
              必要性および相当性が認められる場合には,
              実費全額が損害として認められます。

              逆に言えば,必要性または相当性が認められない場合には,
              たとえ実際に治療を受けていたとしても,
              損害賠償として加害者に請求できない場合があります。


              必要性,相当性が認められるかどうかの判断については,
              個別事例の判断となりますが,
              問題となりやすい項目について,
              裁判所の判断の傾向をご紹介しておきます。



              (1) 過剰診療,高額診療

              過剰診療とは,診療行為の医学的必要性ないしは合理性が否定されるものをいい,
              高額診療とは,診療行為に対する報酬額が,特段の事由がないにもかかわらず,
              社会一般の診療費水準に比して著しく高額な場合をいいます。

              いずれも,必要性,相当性を欠く治療として,否定されます。
              (この場合,治療内容が過剰診療,高額診療にあたるかどうかが問題となります)


              (2) 鍼灸,マッサージ費用,器具薬品代等

              症状により有効かつ相当な場合,特に医師の指示がある場合などは
              認められる傾向にあります。


              (3) 温泉治療費等

              医師の指示があるなど,治療上有効かつ必要がある場合に限り,
              認められる傾向にあります。
              もっとも,認められたとしても金額が制限されることもあります。


              (4) 入院中の特別室使用料

              医師の指示ないし特別の事情(症状が重篤である,空き室がない等)がある場合は,
              認められる傾向にあります。


              (5) 症状固定後の治療費

              特段の事情のない限り,否定される傾向にあります。 

              交通事故(3) 〜損害費目〜

              0
                交通事故の被害者は,
                被った損害の賠償を加害者に対して請求することができます。

                では,損害賠償の対象と認められ得る損害には,
                以下のような損害費目が含まれます。


                (1) 積極損害
                    ・治療関係費
                    ・付添看護費
                    ・雑費(入院雑費・将来の雑費)
                    ・通院交通費・宿泊費等
                    ・装具・器具等購入費
                    ・家屋・自動車等改造費,調度品購入費
                    ・葬儀関係費
                    ・弁護士費用
                    ・遅延損害金

                (2) 消極損害
                    ・休業損害
                    ・後遺症による逸失利益
                    ・死亡による逸失利益

                (3) 慰謝料
                    ・傷害慰謝料(入通院慰謝料)
                    ・後遺症慰謝料
                    ・死亡慰謝料

                (4) 物的損害
                    ・修理費
                    ・全損の場合の買換諸費用
                    ・評価損
                    ・代車使用料
                    ・雑費(保管料,レッカー代等)
                    ・積荷その他の損害
                                              等

                交通事故(2) 〜3つの基準〜

                0
                  交通事故においては,被害者に生じた被害結果に応じて損害額を算定した上で,
                  加害者が被害者に対しその損害額を賠償することになります。
                  しかし,慰謝料が典型的であるように,
                  被害結果から損害額が一義的に定まるわけではありません。

                  そこで,交通事故では,損害額の算定にあたって,
                  主に以下の3つの基準が使用されています。 

                   (1) 裁判基準(弁護士基準)
                   (2) 任意保険会社基準
                   (3) 自賠責基準

                  (1)裁判基準とは,交渉では解決できず裁判になった際に,
                  裁判所が採用している基準です。
                  判決ではこの基準が適用されますので,
                  弁護士も〆枷輯霆爐鯀按鵑箸靴董ぢ山桶曚了残蠅鮃圓い泙后
                  この基準が被害結果をもっとも正確に損害額に反映しています。


                  (3)自賠責基準とは,自賠責保険により支払われる保険金を
                  算定するために使用される基準です。
                  自賠責保険は,被害の迅速回復の観点から,
                  被害結果のすべてを補填するのではなく,
                  暫定的にでも迅速に保険金の支払いを可能とするために,
                  法によりその基準が明確にされています。


                  (2)任意保険会社基準とは,
                  各任意保険会社が独自に定めている内部基準です。
                  弁護士が関与しない交渉段階では,
                  任意保険会社はこの基準を適用して損害賠償の提案を行ってきます。


                  これらの基準による損害賠償額の違いは以下のとおりとなります。

                  (多い) (1)裁判基準 > (2)任意保険会社基準 > (3)自賠責基準 (少ない)


                  任意保険会社は,保険金額を少なくするために
                  裁判では認められない(2)任意保険会社基準を主張してきます。
                  弁護士に依頼した場合には,
                  (1)裁判基準に基づいて交渉・訴訟することになりますので,
                  損害賠償額を大きく異なることになります。

                  交通事故(1) 〜自動車保険の仕組み〜

                  0
                    交通事故の自動車保険の仕組みについてご説明します。

                    まず,交通事故によって被害者に生じた損害については,
                    加害者が損害賠償責任を負うことになるのが原則です(民法709条等)

                    しかし,交通事故の損害額は多額になることが多く,
                    加害者に資力がなければ損害賠償ができなくなってしまいます。

                    そこで,加害者に資力がなくても被害者の損害が回復されるように,
                    自動車保険が存在するのです。

                    自動車保険には,大きく分けて,ー賠責保険と任意保険があります。


                    ー賠責保険は,被害者保護の観点から法律で定められた
                    強制加入保険です(自動車損害賠償補償法1,5条)。

                    自賠責保険で支払われる保険金額は法律により定められており,
                    被害者が直接自賠責保険会社に保険金支払請求(被害者請求)することもできますし,
                    加害者が被害者に損害賠償した後に,
                    加害者が自賠責保険会社に対して保険金支払請求(加害者請求)することもできます。 

                    もっとも,自賠責保険は被害者保護の観点から,
                    早期に保険金が支払われるようにするための制度ですので,
                    法律により定められた金額(自賠責基準)は,
                    被害者に生じた損害額よりも低くなることがほとんどです。


                    そこで,被害者の損害を全額賠償するために保険が任意保険です。
                    任意保険は,加害者の追う損害賠償責任のうち,
                    自賠責保険によって支払われなかった部分について
                    補填するための保険です。

                    このように,自動車保険は,
                    まず,自賠責保険によって支払われ,自賠責保険で支払われなかった部分について
                    任意保険によって支払われるという
                    2階建ての構造となっています。


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