交通事故(3)-2-3 〜逸失利益(死亡)◆

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    今日は,逸失利益(死亡)の2回目,後半部分となります。
    生活費控除率,税金の控除,就労可能年数に対応する中間利息控除係数,幼児の養育費,についてご説明します。

    生活費控除率

    死亡による逸失利益を算定する際,逸失利益から生活費相当額が控除されます。


    これはどういうことかというと,被害者の方が亡くなった場合,
    その方が将来負担すべき生活費についてもかからないのだから,
    その生活費については,損害とは認めない,逸失利益から控除するということなのです。


    そして,生活費控除率は,弁護士実務では,被害者の立場によって,次のように,
    ある程度一定の基準によって算定されています。



    (1)一家の主柱
       “鑄淪楴圍運佑両豺隋。苅亜
      ◆“鑄淪楴圍何涌幣紊両豺隋。械亜
    (2)女性(主婦,独身,幼児等を含む) 30%
    (3)男性(独身,幼児等を含む) 50%



    この他,兄弟姉妹のみが相続人のときは,被害者が兄弟姉妹を扶養しておらず,
    兄弟姉妹の生活保障に配慮する必要がないため,兄弟姉妹のみが相続人のときの
    生活費控除率は,別途考慮して,基準より高くされることもあります。




    また,年金は,生活保障を目的としており,生活費のために費やされるべきものとの考えから,
    年金部分についての生活費控除率は,基準より高くされる例が多いです。



    税金の控除



    死亡による逸失利益を算定する際,税金は原則として控除しない,というのが判例の立場です。



    高額所得者の場合,税金は多額になってきますし,控除の有無は,損害額に大きく影響しますね。
    ただ,高額所得者の場合には,生活費控除の割合を高くする等する判例もあるようです。



    就労可能年数に対応する中間利息控除係数

    (1)就労可能年数

    逸失利益は,被害者が亡くなり労働できなくなったために,本来得られるべきであったのに
    得られなかった利益をいいますので,その算定にあたっては,労働できなくなった期間,
    すなわち就労可能年数が問題となります。


    この点については,以前,後遺症による逸失利益の際にご説明した「労働能力喪失期間」と
    基本的に同じです。
    すなわち,後遺症により労働できなくなった期間を「労働能力喪失期間」と呼んでいるのに対し,
    死亡により労働できなくなった期間を「就労可能年数」と呼んでいるのです。



    従って,原則として67歳までと考え,例外として,被害者が高齢のために,
    亡くなった年齢から67歳までの年数が簡易生命表の平均余命の2分の1より短くなる場合は,
    平均余命の2分の1が就労可能年数となります。



    例えば,男性が50歳で亡くなった場合は,就労可能年数17年(67歳−50歳),
    65歳で亡くなった場合は,就労可能年数9年(男性平均余命18.86年の2分の1=9年>2年)
    となります。



    以上は,以前,後遺症による逸失利益の際にご説明した「労働能力喪失期間」と同じ点です。



    ところで,死亡による逸失利益においては,後遺症による逸失利益では考える必要のない,
    年金の逸失利益について考える必要があります(後遺症による逸失利益の場合には,後遺症があっ
    ても年金はもらえるので,考える必要がありませんね。)。



    すなわち,被害者が仮に生きていたら得られたであろう利益には,
    所得収入のほか年金収入が考えられます。



    そして年金収入については,平均余命が就労可能年数となります。
    つまり,上述したように,高齢で亡くなった場合に,その年齢から67歳までの年数が
    簡易生命表の平均余命の2分の1より短くなったとしても,
    平均余命の2分の1とする必要がありません。



    これは,考えてみると,当たり前ですが,年金は,亡くなるまで受給できるのですから,
    その平均余命まで受領し続けると考えることが合理的だからです。



    従って,例えば,男性が65歳で亡くなった場合で,年金の逸失利益を算定する際,
    就労可能年数は18年(男性平均余命18.86年)となるのです。



    (2)中間利息控除
    以前,後遺症による逸失利益の際にご説明した「中間利息控除」と同じように考え,
    就労可能年数に対応した係数を用いて計算することになります。
    ここでは説明を省略します。



    幼児の養育費



    幼児が亡くなり死亡した逸失利益を算定する際,子どもが生きていたらかかっていたはずの養育費は控除しない,というのが判例の立場です。

     



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