相続(3)-  漸燭相続の対象となるか 物件・債権・債務〜

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    相続の対象(相続財産)〜何が相続の対象となるか

     

    1.包括承継

    相続の対象が何であるかについて、
    民法では、「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を継承する。
    但し、被相続人の一身に専属したものは、この限りではない。」(896条)
    という原則を定めています。
    したがって、所有権のような物権のほか、
    債権、債務、無体財産権、その他明確な権利義務といえないものでも、
    財産法上の法的地位といえるものであれば、全て相続の対象となります。(包括承継)

    以下では、この896条の原則が、
    具体的にどの様に適用されるのかを、問題となりうる財産ごとに検討してみましょう。

     

    2.物権

    物権とは、物を支配する権利のことを言います。
    民法では、財産権の絶対、ないし所有権の絶対が一つの基本原理とされており、
    所有権などの物権を有するものはその権利を誰に対しても主張することができます。
    (これに対して債権は債務者に対してしか主張することはできません)

    この物権の中で所有権や用益物権(地上権など),担保物権(抵当権や質権など)が
    相続の対象となることは問題がありません。
    問題となるのは「占有権」です。

    占有というのは、物を現実に所持している、
    あるいは支配しているという事実状態を法的に保護しようというものです。

    これは、その物を支配している者が、
    その物
    について法律上の根拠(「本権」といいます。)を有しているかどうかを問いません。

    占有を法律上正当づける権利たる所有権、地上権、質権等の権利を「本権」というのに対し、
    占有権は物に対する事実上の支配という状態そのものに法的保護を与える権利です。

    結論から言いますと、占有権の相続は認められます。
    その最大の理由は、取得時効との関係で占有の継続が途切れるのを避けるためです。
    占有の相続に関しては色々と難しい問題があるのですが、
    このブログの中では詳細については割愛します。

     

    3.債権

     ゞ眩債権

    預貯金、有価証券(株式、国債、社債、手形)、貸付金等が代表的なものですが、
    債権は、財産権として相続の対象となります。
    ご商売をされていたなら取引先への売掛金なども相続されます。

    ◆‖山嫁綵請求権

    例えば、交通事故が原因で亡くなられた被相続人場合、
    病院の費用、もし死ななければ取得できたであろう収入(死亡による逸失利益)、
    慰謝料(加害者に対して被相続人が有する慰謝料請求権)などの損害賠償請求権も相続の対象になります。

     

    4.債務

    借金などの債務も原則として相続され返済義務が生じます。

    ただし、金銭債務のような可分債務は遺産分割の対象とはならず、
    各相続人の相続分に従って継承されます。

    身元保証債務(雇用契約の際の保証人など)や
    信用保証債務(継続的な取引に際して将来分まで保証する契約―根保証―など)は
    人的信頼関係に基づいていることから原則として相続されません。
    ※個々の契約内容により例外もあります。


    相続(2)-◆ 疏蠡鎧餝覆料喙此

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      相続人が,相続人としての資格を喪失することが2つあります。

       

      これは,大きく,(1)相続開始前に相続人がその意思に反して相続人としての資格を剥奪される場合と,(2)相続開始後に相続人が自らの意思で相続人としての資格を放棄する場合,があります。

       

      (1)には,法律上当然に相続人でなくなる「相続欠格」と,被相続人が,相続させたくないと考えて行う「排除」が,(2)には,相続人が,自らの意思で相続しないことを選択する「相続放棄」があります。

       

      以下,簡単にご説明します。

      (1)相続開始前の相続人資格剥奪

       〜蠡碍膤
      相続人が被相続人の財産を相続するのが正義に反すると感じられるような行為を行った場合,相続人は,当然に相続権を失います。これを「相続欠格」といい,次の5つの類型が規定されています(民法891条)。
      ア 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに
        至らせ,又は至らせしめようとしたために,刑に処せられた者
       

       イ 被相続人の殺害されたことを知って,これを告発せず,又は告訴しなかった
       者。ただし,その者に是非の弁別がないとき,又は殺害者が自己の配偶者若
       しくは直系血族であったときは,この限りでない。

       ウ 詐欺又は強迫によって,被相続人が相続に関する遺言をし,撤回し,取り消
       し,又は変更することを妨げた者

       エ 詐欺又は強迫によって,被相続人に相続に関する遺言をさせ,撤回させ,取
       り消させ,又は変更させた者

       オ 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し,変造し,破棄し,又は隠匿した者

       

      ◆’兔
      次に,相続欠格のように当然に相続資格を剥奪するほどではないが,被相続人が相続させたくないと感じるような行為が相続人にあった場合,被相続人は,家庭裁判所の審判または調停によって,または遺言書によって,相続人の相続権を奪うことができます。これを「廃除」といい,民法では,次の場合を規定しています(民法892条,893条)。



        ア 遺留分のある推定相続人が,被相続人に対して虐待をし,若しくはこれに重
          大な侮辱を加えたとき
        イ 遺留分のある推定相続人にその他の著しい非行があったとき

         

            なお,いったん廃除をしても,被相続人は,いつでも廃除の取消を家庭裁判所に請求することができます(民法894条)。

       

      (2)相続開始後の相続資格の放棄
      相続人は自らの意思で相続しないことを選択することができ,これを「相続放棄」と言います(民法938条)。

       

      例えば,被相続人が借金を負っていた場合でも,相続人は,その債務を負わなければなりませんが,そのような債務を相続人に課すのは酷です。また,相続人によっては,債務がなくても,相続したくないという人はいるでしょう。

       

      このような場合に,相続人は自らの意思で相続しないことを選択できるのです。

       

      なお,相続放棄は,家庭裁判所に申述するおとによってなされますが(民法938条),この申述は,自己のために相続の開始があったことを知った時から三カ月以内にする必要がありますので(民法915条),この点は注意が必要です。

       

       

       以上,相続資格の喪失についてご説明しました。
       相続の問題は,複雑で困難であることが多いと思います。当事務所までお気軽にご相談下さい。

       


      相続(2)-  疏蠡蛙佑亮鑪燹順位〜

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        相続があったとき,誰が相続人となるのでしょうか。今日は,相続人の種類・順序についてご説明します。

         

        相続があったとき,誰が相続人となるかは,民法で定められています。
        この相続人を法定相続人と言います。


        そして法定相続人には,(1)配偶者相続人と(2)血族相続人がいて,この2本立てとなります。

         

        (1)まず配偶者相続人とは,被相続人の配偶者,つまり妻又は夫です(民法890条)。
        配偶者相続人は,常に相続人となります。
        つまり,被相続人の妻又は夫は必ず相続人となるわけです。

         

         

        (2)次に血族相続人は,被相続人の子またはその代襲者,直系尊属,兄弟姉妹またはその代襲者です(民法887条,889条)。

         

        そして,この血族相続人には次のような順位があり,
        前順位の者が一人もいないといった場合に,次順位の者が相続人となるのです。

         〇劼泙燭呂修梁綵閏國直系尊属→7残鏤佶紊泙燭呂修梁綵閏

        ところで,代襲者というのは,代襲相続によって相続人となる者を言います。

         

        代襲相続とは,例えば,子が被相続人よりも先に死亡している場合に,その子が生きていたら相続したはずの相続分を,死亡した子の子(つまり被相続人の孫)が代わりに相続する場合などを言います(民法887条2項)。

        なお,再代襲相続というのですが,死亡した子の子も先に死亡している場合には,さらにその子(つまり被相続人の曾孫)が相続します(民法887条3項)。

         

        そしてこの代襲相続は,被相続人に子どもや直系尊属がいないため,兄弟姉妹が相続する場合にも起こります(民法889条2項)。

        ただ,兄弟姉妹の代襲相続は一代限りで,再代襲相続はありませんので,注意が必要です。

         

        以上を前提に,次の事例を考えてみましょう。


        被相続人Aには,妻B,子どもC,Aの父Dがいます。相続人は誰でしょうか?

        まず,’朸者相続人は常に相続人となりますので,Bは相続人となります。
        次に,血族相続人としては第1順位の子Cがいますので,Cも相続人となります。
        しかし,Aの父Dは,第1順位の子Cがいるため相続人にはなりません。
         
        よって,相続人はBとCということになりますね。

         

        以上,相続人の種類・順序について,簡単に説明しました。


        相続(1) 〜相続とは〜

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          相続とは,人がその生を終えたときに,その人に帰属していた権利義務や財産を一定親族関係にあった者に受け継がせる制度です。
          法律上,亡くなった方を「被相続人」,権利義務を受け継ぐ人を「相続人」と呼びます。

          誰でも,親族が亡くなったときには相続人として,そして最後には自己が被相続人として,相続を経験することになります。そんな,身近だけれどよくわからない相続について,これから回を分けてお話をしていきたいと思います。


          まず今回は,相続の全体像について。

          被相続人の財産が相続人に受け継がれるには,
          ^筝製颪砲茲衄鐐蠡蛙佑決める
          ¬泳,傍定されているルールに従う
          という2つの方法があります。


          遺言書があれば遺言書が優先します。
           筬△隆愀犬任垢諭

          遺言書で,相続人以外に財産を受け継がせることもできます。これを「遺贈」といいます。
          もっとも,一定の相続人には,遺言書でも奪えない「遺留分」があります。


          遺言書が残されていなかったときは,民法のルールに従って相続することになります。

          民法では,誰が,何を,どれだけ相続するかについて,
          それぞれ,「相続人」,「相続財産」,「相続分」という基本ルールを規定しています。

          相続人が2人以上いる場合には,「共同相続財産」を「遺産分割」するという手続が必要になります。

          借金などの方が多く相続したくない場合や,相続人がいない場合についても,民法に規定があります。


          これらについて,これから少しずつお話ししていきたいと思います。

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